御神体


半僧坊大権現の御神体は鼻高天狗です。天狗様は烏、白髭、赤面、鼻高の四種類に分類されたりもしますが、学術的には、烏天狗系天狗と、人物系天狗を僧侶型、山伏型、其の他に三分類し、計四種類とする様です。鼻高天狗は後者の分類の僧侶型天狗に入るそうです。




 開山様が御在世中、半僧坊は朝に薪取り、夕べに水汲みをして御仕えしたが、開山様入寂後は忽然と姿を消し、以来、境内の松や杉の木の梢に半身を現したりするとて、此の大樹を御神木と称するも、今に至るも鬱蒼たる景観を呈している。或いは、空中に笛、太鼓を鳴らして楽しんでいる様子を示す音曲を聴いた人が、昔から少なからずいると言う。又、悪人の邪心を清め、厳罰は影の如く付き纏い、それ信心に応える事昔も今も変ることがないとの事。

 そこで、一山の者是非霊像を造りたいとの思いを抱けども、権現様の御姿を見た者なく、発願祈念した所霊夢があり、京都の佛師、八木孝人を招聘して霊像の制作を依頼する。八木氏大いに困惑、参籠も幾度かして大いに努めた所、、不思議にも或る夜夢枕に一人の老翁が現れ、其の霊恰も猿田彦の如しと思うまま暁鐘の声に夢から覚めた由。そこで、繁昌円満の寸法たる尺八寸の木像を彫刻したと古の記録にあるとの事。

 尚、此の御神体は奥山半僧坊真殿最奥の厨子に奉安されています。厨子の扉は15年に一度の頻度で開扉され、所謂御開帳が行われております。平成16年には浜名湖花博に合せ、前回から8年目でしたが特別御開帳が行われました。


トップへ