浜松駅から徒歩で奥山半僧坊まで


 浜松駅から奥山半僧坊までは6里、約24kmありますが、之を徒歩で参詣するには石柱の道標が頼りです。そこで此の頁では途中の道標の写真を掲げて奥山半僧坊迄御案内します。尚、明治時代の半ばには多くの方々が此の参道を徒歩で参詣されました。

 JR浜松駅前から西方に進路をとり、伝馬町、連尺の交差点を経て高町に昇る曳馬坂の途中に正福寺が在り、此の寺への石段の登り口に奥山半僧坊大権現への石柱道標が在ります。以下に掲げる二葉の写真を御参照下さい。

 JR浜松駅前の歓迎ボード

 三柱の石柱の内の左端と中央が道標

 左端のものは台石の部分に『是れより六里』とあり明治42年に浜松駅前に建立され、其の後、此処に移されたもので、真ん中の石柱が下に示すもので、建立されたのが明治37年。

 此処から奥山半僧坊大権現迄は5里16丁とある。

 此処から曳馬坂を上り切った所に在る、高町の交差点を右折しますが、此処からは國道257号線と成ります。30分余で犀ケ崖に至りますが、遠州鉄道の奥山方面行きバス停留所脇に、上に掲げたのと同様の石柱道標が在ります。

 犀ケ崖バス停脇の道標。此処から5里。

 次なる石柱道標は、徒歩で1時間程、國道257号線を直進した追分に在ります。それを下に掲げますが、此処には大小二柱の道標が在って、手前に在る道標の上部には半僧坊大権現の像が浮彫になっていて、その下に 左 きが 中 かなさし 右 みやこだ と在り、奥山半僧坊大権現迄は三里二十九丁と刻まれています。

 追分の分岐点に在る石柱道標。此の左が姫街道。右が国道257号線。

 更に一里半程進むと金指駅前交差点に達し、之を右手に曲がると旧金指市街。急坂を登り切った所に在る実相寺裏手に道標が在って、左手に進み森の中の道を経て谷津に出、些か坂を下った所に、半僧坊弐里なる道標が在ります。

 実相寺裏の道標。左、奥山半僧坊 、弐里四町。

 谷津に下る坂の途中に在る道標。半僧坊弐里。

 奥山地内、栃窪の最北端に在る道標。半僧坊壹里三丁の表示で明治16年建立。

 さて、目標の地点も間近になった奥山地内、其の昔、此処からが御寺の境内であるとの印として法界門が在った地点の道標と、旧奥山中学校の校門へ登る坂の下に在る道標を下に示します。

 旧法界門脇の道標。十二町とある。  

 此の道標には第十町と刻まれている。

 最後に、大正12年に浜松から奥山迄全線開通した遠州鉄道奥山線の終点、奥山駅傍から門前町へ通ずる急坂の登り口に建っている石柱道標が下の写真です。今まで紹介した石柱は殆どが明治37年3月に建立されたと思われますが、此の最後のものは昭和16年に建立され、然も、最近此の付近の道路工事があった際、ピッカピッカの新品同様に磨き上げられました。

 新品同様? 門前町は右の坂の上。

 やっと奥山半僧坊大権現です。所要時間は5時間程です。


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